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再見!アラーキー(3) チロ

チロが家にやって来た!

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1988年から荒木&陽子夫妻に新しい家族ができた。 陽子さんが実家から生後4か月のメス猫を引き取ってきたのだ。 猫嫌いだった荒木だが、この猫「チロ」の愛嬌にコロリと靡いてしまった。 それからというもののチロを溺愛し、幾度となくカメラを向けてきた。

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ウインクするチロ。

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お正月の装い。リボンを付けてもらった。

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チロのいる生活

チロは荒木が日記や原稿を書いているとよく邪魔しに来た。 チロに『吾輩は猫である』を読み聞かせたこともあるそうだ。

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酔っ払って帰ってきた荒木に付き合うチロ。

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冷蔵庫の上で料理が出来上がるのを待つ、の図。

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野性を忘れないアグレッシブな一面も。 雀やイモリをつかまえるのが得意だった。 狩った獲物を見せに来て、ひとしきり弄んだ後、食べてしまうのだった。

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荒木の写真に度々登場する「ヤモリンスキー」(ヤモリのミイラ)は、もとはチロの獲物だ。

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荒木が「幸せの構図」と呼ぶ写真。 荒木の脚に乗るチロ、奥にはテレビを見る陽子さん。

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荒木たちはチロを外で自由に遊ばせていたが、しばらく帰って来なくて心配させたことがあった。 1日中を探し回っても見つからなかったが、3日目にしてようやく帰宅。 ホッとした陽子さんは、チロを抱きしめて泣いたという。

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チロの存在に励まされた

陽子さんが入院している間、そして亡くなった後も、チロは荒木を慰め励ましてくれる存在だった。 陽子さんのベッドの上で帰りを待っているかのような姿。

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だから、妻が死んだ後、窓の外のベランダのほうを見ているチロちゃんっていうのは、もしかしたらアタシかもしんない。
で、そんなじゃ駄目だっていうんで窓を開けるとね、チロちゃんがベランダに降り積もった雪の中にすっ飛んで行くわけだよ。それで跳ねてくれるわけ。励ましっつうんじゃないんだろうけど、バッて跳ねて、勃起せよ、ってね。シッポ見ると、そういうことだよね。

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大往生

2010年3月2日、チロは天国に旅立った。 非常に長命で、陽子さんの死後20年も荒木に連れ添ったことになる。 晩年は腎不全のために随分と痩せてしまった。 目に涙をいっぱい溜めた表情がいたわしい。

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遺骨まで撮ってしまうところが荒木らしいというか…。 元気な頃のチロを知っているだけにショックである。 生きていた時は「事」つまり関係性を築き上げてきたものが、死んで遺骨になるとたちまち「物」になってしまう。 生の喜びと死の厳しさ。 ああ、これが「無常」ということなのだ。

関連項目

ソース

  • 荒木経惟『愛しのチロ』平凡社 2002
  • 荒木経惟『写真ノ話』白水社 2005
  • 荒木経惟『チロ愛死』河出書房新社 2010

最終更新日: 2024-07-17